それぞれの指数の特徴と関係は?
日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)は、日本の株式市場を表す指標です。
どちらの指標も東証一部に上場している銘柄が組み入れられていますが、その中身や指数に対して影響が大きい銘柄の特徴も異なります。
この記事の内容
・日経平均株価は225社で構成、構成銘柄の平均株価を指数化 ・TOPIXは東証一部全銘柄で構成、構成銘柄の時価総額を指数化 ・NT倍率が大きい時は値がさ株が上昇する傾向が強い ・NT倍率が小さい時は内需関連株が上昇する傾向が強い
それでは解説していきます。

目次
日経平均株価とは

日経平均株価は東証一部に上場している銘柄の中でも代表的な225銘柄で構成されており、その225銘柄の株価を平均化したものです。 日経225とも呼ばれ、英語では「Nikkei225」と表記されます。 業種などのバランスを考慮した銘柄構成になっているので、日本経済全体の状況を把握することができます。 また、日経平均株価の構成銘柄は日本経済新聞社が選定しています。
東証株価指数(TOPIX)とは

TOPIXは東証一部に上場している全銘柄(2000銘柄以上)を対象とした指標です。
1968年にTOPIXの公表が始まり、この年の1月4日時点の東証一部の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものが現在のTOPIXの数値となっています。
ちなみにTOPIXの最高値は2884.80ポイントです。
バブル景気真っ盛りの1989年12月に最高値をつけています。
日経平均株価とTOPIXの違い

日経平均株価は株価が高い銘柄の影響が強く、TOPIXは時価総額の高い銘柄に影響を受ける
日経平均株価は株価の高い銘柄の動きに強く影響されます。これは、株価の高い銘柄の方が値動きが大きくなるためです。 また、株価が高い銘柄は値がさ株(値嵩株)と呼ばれ、日経平均株価の寄与度トップの銘柄はファーストリテイリング(株価74120円 ※2021年11月22日終値)となっています。
日経平均株価 構成比率トップ10
ファーストリテイリング(9983)8.77% |
東京エレクトロン(8035)7.46% |
ソフトバンクグループ(9984)4.85% |
ダイキン(6367)2.98% |
ファナック(6954)2.76% |
リクルート(6098)2.69% |
アドバンテスト(6857)2.49% |
KDDI(9433)2.43% |
テルモ(4543)2.38% |
信越化(4063)2.38% |
一方でTOPIXは、構成銘柄の時価総額を指数化して算出するので、時価総額が大きい大型株の影響を強く受けます。 時価総額トップの銘柄はトヨタ自動車で約34兆円です。 2位はキーエンスで約18兆円、3位はソニーグループで同じく約18兆円です。(※2021年11月22日時点) トヨタ自動車の時価総額は圧倒的に高いですね。 また、TOPIXは構成している銘柄が多いため、1銘柄あたりの影響が小さくなります。
時価総額ランキング
トヨタ自動車(7203)約34.3兆円 |
キーエンス(6861)約18.1兆円 |
ソニーグループ(6758)約18兆円 |
リクルート(6098)約12.8兆円 |
ソフトバンクグループ(9984)約11.8兆円 |
日本電信電話(9432)約11.6兆円 |
東京エレクトロン(8035)約9.9兆円 |
三菱UFJ(8306)約8.5兆円 |
信越化(4063)約8.4兆円 |
日本電産(6594)約8兆円 |
日経平均株価とTOPIXの相対的な強さを表す「NT倍率」とは
日経平均株価とTOPIXの関係を表す指標を「NT倍率」といいます。両者の頭文字からNT倍率と名付けられています。
NT倍率は日経平均株価をTOPIXで割り、算出します。
直近5年間では約12.5倍~15.5倍で推移しています。
NT倍率が上昇しているときは、日経平均株価の方がTOPIXよりも強いことがわかります。
NT倍率から読み取れること
通常、市場全体が値上がりする時は、TOPIXよりも日経平均株価の方が早く上昇しやすく、 市場全体が値下がりする時は、日経平均よりもTOPIXの方が早く下落しやすくなる傾向があります。 よって、NT倍率が大きい時は市場全体の株価が上昇傾向にあり、逆に小さい時は、市場全体の株価が下落傾向にあると大まかに判断することができます。
NT倍率が大きいとき…輸出関連銘柄やハイテクなどの値がさ株が上昇する傾向が強い。 NT倍率が小さいとき…国内に強い不動産や建築、銀行、保険などの内需関連株が上昇する傾向が強い。
東証再編について
現在の東京証券取引所は「市場第一部」「市場第二部」「マザーズ」「JASDAQ(スタンダード・グロース)」の4つ市場区分ですが、
2022年4月から「プライム」「スタンダード」「グロース」という新たな市場区分になります。
新たな市場区分についての記事は今後配信する予定です。
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