アクティビストとは
アクティビストとは企業の数％の株式を取得し、企業に経営改善や株主還元の強化を働きかけ、数ヶ月～数年後に株式を売却しリターンをあげる投資家のことです。
別名「物言う株主」と呼ばれています。
アクティビストによる主な提案は自社株買いや増配などの株主還元強化、経営陣の入れ替え、事業の売却などで、いずれの提案も企業価値を高め、株価を上昇させる効果があります。
また、アクティビストは割安に放置されたバリュー株を投資先に選ぶ傾向があります。（企業本来の価値に見合う価格になってから売却すれば利益が得られるため）
日本株はPERやPBRなどの指標面から見て割安な株が多く、経営改善の余地がある企業が多く見られます。
ちなみに2022年に株主提案を受けた企業は36社で過去最多となりました。
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アクティビスト銘柄について
アクティビストがどのような企業を大量に購入したのかを知る方法として「大量保有報告書」というものがあります。
大量保有報告書とは、国内外の投資家が上場企業の発行済み株式数の5％超を取得した場合に、必ず5営業日以内に管轄の財務局に提出しなければならない法定書類の事です。また、提出した後も保有比率に1％の増減があるたびに「変更報告書」を提出する義務が生じます。
大手運用会社などは保有目的について「純投資」や「政策投資」が多いですが、投資ファンドは「純投資及び状況に応じて重要事項提案等を行う」と保有目的に記載する事が多いです。
大量保有報告書は金融庁の「EDINET」や「M&A Online」で閲覧できます。
『EDINET』
https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/WEEK0010.aspx
『M&A Online』
https://maonline.jp/kabuhoyu
主なアクティビスト 一覧
シルチェスター・インターナショナル
シルチェスターは、米投資銀行モルガン・スタンレー出身のスティーブン・バット氏によって1994年にロンドンで設立されました。2018年末時点の運用資産は約4.4兆円で日本株にも約1兆円投資しています。
財務分析をもとに割安株を発掘し長期保有するバリュー投資家として知られています。
日本における主な投資先は不動産、建設、地方銀行、情報通信です。
オアシス・マネジメント
オアシス・マネジメントは最高投資責任者（CIO）セス・フィッシャー氏が2002年に設立しました。2004年からは香港を拠点とし、世界各国に投資しています。
同社は積極的に株主提案を行っていて、過去にはアルプス電気とアルパインの経営統合や片倉工業への提案で話題となりました。
エリオット・マネジメント
エリオット・マネジメントはポール・シンガー氏が1977年に設立しました。
運用資産は22年6月末時点で557億ドルです。株式だけでなく証券、不動産、コモディティなどにも投資しています。
サード・ポイント
サード・ポイントはダニエル・ローブ氏が1995年に設立しました。豊富な資金力で企業に改革を強く求めることで知られています。
キング・ストリート・キャピタル・マネージメント
キング・ストリートは1995年に設立され、運用資産は180億ドルです。
ディストレス投資（財務危機で行き詰まっている企業の債権を安値で買い取る投資方法）を得意とし、割安企業に長期投資を行います。
2017年に東芝の第三者割当増資を引き受け、日本でもその名が知られるようになりました。
ダルトン・インベストメンツ
1999年に設立されたダルトン・インベストメンツは、2008年に世界金融危機が起きる以前から日本株に積極的に投資してきた老舗のアクティビストです。
2000年代、スティール・パートナーズとともに積極的な株主提案を行ったことで知られています。
3Dインベストメント
3Dインベストメントは長谷川 寛家氏が2015年にシンガポールで立ち上げた独立系資産運用会社です。日本特化型のバリュー投資を行います。
旧村上ファンド系
村上ファンドは通商産業省の元官僚だった村上世彰氏が1999年に設立しました。
同氏または同ファンドの出身者が実質的に率いる投資会社を旧村上ファンド系と称し、近年存在感を高めています。
バリューアクト・キャピタル
バリューアクトはジェフリー・アッベン氏が2000年に設立しました。
運用資産は2021年11月時点で約160億ドルです。
バリューアクトの過去の投資先は、マイクロソフトやロールス・ロイスなど40社以上に及びます。
ブランデス・インベストメント
ブランデスは米国の投資ファンドで顧客の株式や債券を運用しています。
1974年の設立以降、米国の経済学者ベンジャミン・グレアム氏が提唱したバリュー投資の理論を用いて銘柄選定を行っています。
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