目次
10兆円規模の大学ファンド
日本の大学における研究費の現状、「大学ファンド」創設の目的、運用にあたっての目標、運用手法などをまとめました。
現状とファンドの創設の狙い
・研究力(良質な論文数)は相対的に低下 ・資金力は、世界トップ大学との差が拡大の一途 ・世界トップ研究大学の実現に向け、財政・制度両面から異次元の強化を図る ・科学技術振興機構(JST)に大学ファンドを設置 ・運用益を活用し、研究大学における将来の研究基盤への長期・安定投資を実行 ・ファンドは50年の時限、将来的に大学がそれぞれ自らの資金での基金運用するための仕組みを導入
運用の目標および資産構成に関する基本的な事項
・運用資金は4兆5000億円から始まるが、近いうちに10兆円規模に拡大される方針 ・政府出資0.5兆円(R2第3次補正予算)、財投融資4兆円が元手 ・長期的な視点から安全かつ効率的に運用 / 分散投資 / ガバナンス体制の強化など万全のリスク管理 ・ R3年度中の運用開始を目指す…近日中に運用委託選定か?運用開始は来年から予定 ・政府の有識者会議は株式65%、債券35%を資産構成の目安とする運用方針案 ・運用開始5年以内で運用益3000億円を達成、10年以内で長期運用目標を達成するためのポートフォリオ構築 ・長期運用目標は、大学への資金拠出3%に長期物価上昇率(1.38%)以上を上乗せした水準 ・目先に見込まれる日本株の購入額は1.16兆円~1.48兆円と試算 ・大学ファンドの日本株購入による需給効果が今後見込まれる可能性
運用の手法
・運用目標 達成の観点から、スチュワードシップ責任を果たす活動、ESGを考慮した取組を推進 ・市場への影響等に留意しつつ、運用実績、手法等について年度の公開資料を分かりやすく公表 ・長期投資、分散投資、グローバルな投資を推進(海外ネットワーク・コミュニティへの参画) ・リスク分散等の観点からオルタナティブ投資(プライベート・エクイティ、不動産等)を戦略的に推進 ・投資効率の向上の観点から新たな投資商品、投資手法の調査研究を積極的に推進 ・投資規律を重視し、基本ポートフォリオに基づくリバランスを適切に実施
運用に当たっての留意点
①運用の基本的な考え方
・JSTにおける運用が長期的な視点から安全かつ効率的に行われるようにするための基本的な指針を、文部科学大臣が示す ・長期的な観点からの資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定めるとともに、分散投資を行うなど各種でリスク管理を行う
②ガバナンス体制
・ファンド運用に係るJST設置法の改正において、法人監査体制の強化、運用業務担当理事の新設や運用、監視委員会の設置等ガバナンス体制強化に係る規定を設ける
③リスク管理態勢
・運用開始当初は、元本強化期間と位置づけ、例えば運用開始当初3~5年間は運用益の相当割合を元本強化に充てるなどの内容を含む元本強化計画を策定、実施 ・万一計画の達成の見込みがない又は未達成であれば、リスク運用の停止や繰り上げ償還等を含む抜本的な改善計画を策定、実施する

自民党の公約における大学ファンドへの目標
・10兆円規模の大学ファンドを2022年度までに実現し、世界と伍する研究環境を構築するとともに、博士課程学生を含む若手研究人材を育成するための取組みを推進します
まとめ
来年早々に大学ファンドによる株の購入が見込まれます。 1兆円超の資金であり、さらに岸田首相は大学ファンドへの発言が目立ちます。 また、同ファンドの提唱者は甘利幹事長と言われ今後、運用拡大の話が出る可能性もあります。
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