インバース型ETFは、株価の下落局面で利益を狙える人気の商品ですが、一方で大きな損失を抱えるリスクもあります。
そこで今回はインバース型ETFについてやダブルインバースの注意点について解説していきます。
インバース型ETFとは
インバースとは、逆・反対という意味で指数とは逆の動きになります。
インバース型ETFとは、日経平均株価やTOPIXなどの指数(原指数)の日々の変動率が一定のマイナスの倍率になるように設計されたもので、ベア型とも呼ばれています。
指数とは逆の動きをし、指数が値下がりしたときに値上がりし、指数が値上がりすると値下がりします。
また、レバレッジのかかっていない、マイナス1倍とレバレッジのかかった、マイナス2倍のインバース型ETFがあり「ダブルインバース」は指数の2倍の動きとなります。
《例》
日経平均ダブルインバース(1357)の場合、日経平均株価が2%値上がりするとダブルインバースは4%値下がりします。
逆に日経平均株価が2%値下がりするとダブルインバースは4%値上がりします。
インバース型ETFは、指数が下がると利益が出るという点において空売りと考え方が同じです。
また、空売りは信用取引口座の開設が必要になりますがインバース型ETFは信用取引口座の開設の必要がなく、現物取引と同じように取引ができます。
ダブルインバースの仕組みと注意点
ダブルインバースETFの中で最も人気があるのは日経平均ダブルインバース(1357)です。
日経平均ダブルインバース(1357)は「日経平均株価の前営業日からの騰落率×マイナス2倍」の値動きを目指して運用されます。
ただし、マイナス2倍になるのは、あくまで前日と比較した場合で2日以上保有した場合、買った日との比較ではマイナス2倍の値になりません。
特に、長期で保有すると下げ方向に進んでいく特徴があります。
買った日の価格が100円の場合(基準日)
1日目に指数がマイナス5%だった場合、ダブルインバースは『マイナス5%×マイナス2倍=プラス10%』となり、ダブルインバースの価格は110円となります。
2日目に指数が10%上昇した場合、ダブルインバースは『プラス10%×マイナス2倍=マイナス20%』となり、ダブルインバースの価格は『110円(1日目の終値)+(110円の20%→22)➡️ 110-22=88円』となります。
3日目に指数が4.3%下落した場合、ダブルインバースは『マイナス4.3%×マイナス2倍=プラス8.4%』となり、価格は『88円+(88円の8.4%→7.392)=88+7.392=96円』となります。
結果、指数は100円→100円で変わりませんが、ダブルインバースは100円→96円に下落します。
先程も記載しましたが、ダブルインバースは「前日の基準価格と比較してマイナス2倍の値動き」をします。
あくまでマイナス2倍なのは、前日と比べた時だけです。
これにより上下動を繰り返すと下げ方向に進む特徴があり、ダブルインバースは長期保有には向きません。
ETFの概要 | 日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/etf-outline/04-05.html
また、野村アセットマネジメントでも以下のように記載されています。⬇️
日経平均ダブルインバース・インデックスは、常に、前営業日に対する当営業日の当インデックスの騰落率が、同期間の日経平均株価の騰落率の「-2倍」(マイナス2倍)となるよう計算されます。しかしながら、2営業日以上離れた期間における日経平均ダブルインバース・インデックスの騰落率は、一般に日経平均株価の「-2倍」とはならず、計算上、差(ずれ)が不可避に生じます。2営業日以上離れた期間における日経平均ダブルインバース・インデックスの騰落率と日経平均株価の騰落率の「-2倍」との差(ずれ)は、当該期間中の日経平均株価の値動きによって変化し、プラスの方向にもマイナスの方向にもどちらにも生じる可能性がありますが、一般に、日経平均株価の値動きが上昇・下降を繰り返した場合に、マイナスの方向に差(ずれ)が生じる可能性が高くなります。また、一般に、期間が長くなれば長くなるほど、その差(ずれ)が大きくなる傾向があります。したがって、NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(日経ダブルインバース指数ETF)は、一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品です。
野村アセットマネジメント NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信マンスリーレポート
まとめ
ダブルインバースは短期間で大きな利益を狙える商品ですが、思惑と反対の方向に動いてしまった場合や保有し続けてしまった場合は損失がかなり大きくなります。
リスクや仕組みを十分に理解した上で取引されることをおすすめします。
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